弔い日和/
そらの珊瑚
晴れた日に
( )を捨てる それは
たったひとりだけで行う儀式のように
もう一度愛してから、という未練は
明るい光が消してくれる
洗いたての
( )を捨てる それが
慣れ親しんだ分身などというつもりは
まったくなくて
ただ今日という日が
最適だったと
そういう理由なのだ
川上から
( )が流れてくる 次々と
薄情な持ち主の手からはなたれたそれらは
浮き沈みしながらまるで
戯れあっているようだ
戻る
編
削
Point
(17)