燃える翼を見ていたい/畠中ゆたか
 
墜ちていく間は
燃える翼を見ていたい

粘菌に似た街の灯りを見下ろせば
森も海も本心も
凡て闇に統一されるから
僕らはこうして
まだ一緒にいられるんだ

燃え尽きずに落ち続けている間
正当性を保っていられる
乱気流に任せていれば
上昇も下降も大差ないんだ

いつか僕たちは地に墜ちるから
せめてそれまでの間だけでも
燃える翼を見ていたい
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