対話/ベンジャミン
 
友よ
私の背を見るな
たちまち笑い
たちまち逃げる
ほころぶ糸を引っ張って
私を優しく宥めるな

氷雨は土にも嫌われる
地に溢れ濁りきった海
寄り添う島の木の枝に
一羽の鳥が鳴くならば
揺り籠は口を開け
もう明日さえ聞こえない

友よ
私の名を呼ぶな
ただそこに居ろ
丸い目をして私を待つな

揺れる灯りの暗がりで
細く小さな身を奏で
唄を忘れた子供らが
並んで消えた夕の瀬に
祈り合わせた手のひらに、友よ

私の背を見るな

私の名を呼ぶな

ただそこに居ろ

私を優しく宥めるな






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