魂の無垢/いねむり猫
 
われる誘惑 

夜は 鋭く放たれた 禁断の蜜 

おまえの堂々巡りの悩みは 
夜の異形の生に 引き継がれる

夕暮れが濃くなり 
闇が心からはみ出す

猫たちが呼応する 未熟な魂の欲望
快楽と その手前の鋭い苦痛
重い疲労を 甘い欲望に変える 
夕闇の香り

求める夜は 孤独のためではない

深く刺さったとげが うづき出す 夜
何層にも覆い隠していた恥が 浮上して溶け合える 闇
己の不器用な戒めを 投げ出してしまえる 聖域


光より先に到達する闇

快楽の饗宴に 滑り込む 存在への畏れ

私は まだ 生きて いても よい   のです か

 
惰性で繰り返す 光の中の 倦んだ日常を
夕闇の木陰を走り回る 
子供たちの輝きが 踏み砕いていく

夜の誘惑から 夕闇をすかして
 黄金の光の法則へ

闇と光を自在に行き来する
 魂の無垢

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