風の舌 (十)/
信天翁
冷笑されるでしょう が
卒寿となった いま
すがりつくしか ありません
過ぎてしまった
脆い群像の 淡い言動のかげ に
卑下されるでしょうが
余命一桁となった いま
竿をさすしか ありません
迫りくる
永劫の「いのち」のながれ に
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