さよなら/もり
 
詩は路上で生まれる
だが詩は路上を救えない────

プレパラート上の言葉たちが見える、モノノアワレ、切断された高架橋、そこに生えた雑草の根の下で接吻、喪章をつけた兵隊蟻がパレードする毎日、「逆立ちして暮らそうかしら」と天邪鬼、ボクシンググローブの紐で首を締めたら溢れ出る涙、倍率を切り替える、すると立ったまま夢見る人のアタマん中は、鬱という漢字を迷いなく書く女学生に、奇跡としか言いようのない現在進行形の死がコンセプトの部屋に、荒川洋治の詩を朗読、赤いルビを振り振り、地球アレルギーの戦う死人と、瓜二つの鼻のない男が、昼夜交代で三日は並んだ前売り券握り締めて関係者入口を突破、肉球と爪、予告ホー
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