孤独/ようへい
互いを忘れるなら
どんな日でもいい
仲睦まじく歩く人々を背に
うつむ気加減に歩いている
初めて出会った特別な日は
何もかもが新鮮だった
置き去りに過ぎてゆく奈落を思えば
今一つの恋にしがみついていたいのだろう
どうしてと日々は過ぎてゆく
絡み合う足合わせる唇に全てはあったはずだ
どうしようもなく過ぎてゆく面影を
密かに忘れようと思いながら
幾人かの迷いの中でまた
出会いを探す
かねて出会ったばかりなのに
そうして合わせてゆく不都合を
心の拠り所として馳せる思いに
孤独のしがらみを感じている
一人一人別れてゆく重さに背中を
押されながら
思う一度の心境
もうすでに思いはないと思えば
たちまちに集まる人々の数に驚いている
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