ブロイラー/
ただのみきや
昼過ぎに起きて来て
いつも通り
苔や粘菌を探しに出かけていく
ぼくは昨日の肉の味を思い出していた
あっ まだ奥歯に挟まって――
「この聖なる白い鶏を
年に一度の祭りの日に
みなで屠って食べなさい
地上の人間が最後の一人になるまで
この祭りを続けるなら
聖なる鶏は尽きることがないだろう」
《ブロイラー:2016年1月6日》
戻る
編
削
Point
(14)