覚悟/鷲田
 
に彩られた世界だけではない

自由は若いのだ
自由は憧れで作られているのだ
自由を羽ばたくことは死への憧れを楽しむ
快楽という罪悪感の消化だ

覚悟を持て 覚悟を持て

さもなければ彷徨い 
彷徨うと感情が溢れ出て
午後の街中を傷を背負って歩く
若しくは殺しながら歩く
通り過ぎる他人の足跡を
日常の風景達にことごとく怯えながら、
そして一方で憧れながら
繊細さと同居する感覚に犯されていく

覚悟を持て 覚悟を持て

鋭敏な感覚を鈍感という度量に変えるため
単純な物事のリズムにスタッカートの変化を付けるために
臆病の業がさせる技術の特訓を辞めるために
言葉にならない思いを繰り返して言葉は重量を身に着けていく
強度を身に着けた我らが理想の人間だ
理想の明日を作る我らだ
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