冷たい冬空の夢/萩山 ふぁるこん
 
ないちゃったの
 でもおとさんは
 だいどころで本をみながらね
 んとね
 おはよっていったの


丘の僕
 どうしてだろう
 無性に消えてしまいたくなる
 透明な細波に揺れる星座の声と
 気紛れな彼女に似た雲間の月が
 僕の座標を歪めて混乱する
 空を見上げる
 僕は天地を喪失する
 足元から伸びた月影が
 僕の形であるかすら
 ひどく疑わしくなる


星座と夜

 静かだね
 とても静かだ

 遠いね
 でもまだ温かい

 いつまで抱き続けるの
 いつまでだろう

 今日はひどく冷えるよ
 いずれ花風が吹くさ

 一瞬とはいえ儚いね
 でもいずれ僕達もそうなる

 さびしいね
 あぁ ひどくさびしい夢だね
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