子宮/
あおい満月
と洗ってきた。
代わりに私の爪からは、
白い雪が降りだす。
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雪は世界を取り巻きながら、
降り続ける。
まるで瞳に映る世界を抱き締めるように。
だから、
雪の朝は暖かいのだと母は言う。
母と言うのは、
いつになっても子どもの世界を、
抱きしめている。
雪は母だ。
母は雪だ。
私たちは冬になると、
世界中の母たちにあたためられる。
だから本当の冬とはあたたかい。
冬はその子宮のなかに、
春をあたためているのだから。
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