冬の裂傷/ふるる
 
にして下さい

生きててもいいの?

いいさ

君だけは
ユア、
すくわれて当然だよ僕の両腕で

何故?

間に合ったんだよ

朗読なんて卑猥なことが日々蛮行され
判を押したように抵抗する彼らに耳を貸すな
ふさいだ耳から溢れ出すサイレン
僕が君の身体にめり込んでいるのは気のせいだろう
君が産んだのは僕ではない人の容をした叫びだろう
うなだれてしらじらしく
意味もなくしかし
君の赤い唇は二度と閉じられないそれは

ギミ、
傷口

凍てついた
冬の裂傷





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