理不尽に引き裂かれる靴の二人/オイタル
今年はようやく
雪が画面いっぱいに降ってくれて
忘れた言葉たちみたいに
固く積もってしまった
一足二足
歩くとよみがえる
ぎぎぎぎ
ぼくの埃まみれの靴と靴は
古い苦い音をたてた
わからないように
笑うのを噛みこらえて
いじめっ子のマツオカくんがぼくのくつを隠す
それは宗教的な報復だという
(ぼくはミカンを
きれいに半分こにしていた
確かに しかもそれは
ぼくがもらったやつなのに)
でもぼくは君のことを
少しもうらんでいない
それはきっと仕方のないことなのだ
歴史的に
みんながそう言う
まあいい
そして紐のほどけたぼくのくつの右足は
今頃
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