いのり/
あおい満月
べてを必ず託す。
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アンタガワルイノヨ、
アンタガワルイノヨ、
ミンナアンタガワルイノヨ、
アタシハシラナイ、
アンタガナントカシナサイ、
アンタガワルインダカラ、
三半規管に谺する、
母親の声が細い大蛇になって
耳から喉の奥に絡みついている。
三十年の時を越えた今も。
褒めてくれたことは、
一度もなかった、
私の目は、
本当の涙を知らずに森をさ迷っている。
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