来る死を間近に/吉岡ペペロ
 
天気予報が

明日から寒くなると

今年5回目くらいのはったりをかます

もうオオカミ少年みたいになっている

日曜日のお昼どき

町の中華料理屋にはいると和田アキ子が

なにか言いたげな憂うつな顔をしている

出演者や笑い屋みたいな観客が声をあげている

こんなことを繰り返していても意味がない

それでは意味とはなんのことだろう

ぼくたちはたぶん

意味などもとめているわけではないのだ


来る死を間近に感じるときまで

ぼくたちは支障のないレベルの

過激や変化をもとめるのだろう


天気予報が

明日から寒くなると


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