風の舌 八/
信天翁
芥子色の北風をついて
冬至の太陽が
レースのカーテンに
無味乾燥の原版として
いろつや褪せた
庭木のかげをはりつける
卒寿となった
おひとりさま そっくりに
そうして そこへ
沈潜したひとときをまたいで
巡回の三毛猫が素通りした
戻る
編
削
Point
(4)