クリスマスの数え歌/葉leaf
これまで失った大切なものを
一つずつ数え上げよう
そうだろう
君が今流している涙もその一つだ
渇望していたけれど来なかった
プレゼントの数も数え上げよう
届かなかった手紙の数でもいい
これまで獲得した大切なものは
数えようとしても少しも数が進まない
そうだろう
獲得は透明で喪失は血の色
今日君が会う恋人のことを
一人と数え上げてそれでおしまい
ああだが獲得がなぜこんなにも
喪失と同じ痛みを伴うのか
気持ちは落ち着いただろうか
もう一度数を数えなおそう
通勤電車に乗っている人たちを
丁寧に数えていくんだ
だがこれはあまりにも無意味
突き刺さったとげ以外
数える意欲すら湧かない
このクリスマスの朝
失った愛と勝ち得た愛を天秤にかけて
いつまでもゆらゆらしているのを
夜のさなかへ凝縮しようとしている
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