師走の皺/もり
いよ」と小さな宇宙を見上げながらタオルを巻き直し、おれの頬をなでた。彼女がシャワーを浴びる間、このあとこの部屋を掃除する清掃のおばちゃんのことを思ったりした。
2万渡しホテルを出て、おれは西へ、彼女は東へと別れた。
気がつくとまだ雑居ビルの4階で歯科衛生士の女と話していた。今度はカラオケに行った。「うますぎて恥ずかしい」と言われいい気になったりした。
(羊が1067匹 )
ばからしくて くやしくて
ここに書きたくないこともある
そういうものが吹き溜まって
胃痛激痛を抱え 彷徨うように家路をたどり アンケートにも答えず 筋トレもせず むやみに語彙も増やさず ただ本
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