風と光の変奏(三)/信天翁
 
        いつのまにか
 お盆も お正月もなくなって
          在り難い
     卒寿にたどりついた
  アデノイドのおひとりさま
 
          隙間風が
   前半生の懺悔を引きいれ
       鼻水と眼ヤニが
  後半生の空虚をかきあつめ
    いまゃ 浅い息使いと 
   暗黙をくりかえしている
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