ちぎり/あおい満月
として、
互いの肩を切りあったのだ。
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酩酊のなかで俺は、
熱いシャワーで目が覚めた。
身体をナイロンでなぞって
手にしたスマートフォンには
さっきのバーで出会ったあの男からの
メールがあった。
男からは、
ある場所に行かないかという
メールだった。
*****
男の車で、
思ったよりも早く
俺たちは目的の場所についた。
漣がなるその岸辺に、
それはあった。
そこにはふたつの石碑があった。
その石碑の前に立った男が、
俺に告げた。
俺はお前を、
ずっと探していたと。
ずっとずっと、
探していたと。
その時俺の脳裏には、
ただ赤い何かが、
火花のようにちっていた。
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