なわとびあそび/ただのみきや
くぐるのか
こえるのか
あたりまえに
たのしげに
なわの向こうへ
消えてしまった
きっと時代や風にも乗れるのでしょう
できない者にはいつまでも不思議
なわは蛇のようにうねり
大波のように捲れ
風を切り
――裂く
目では追えない
?オジョウサン オハインナサイ
ともだちはみんな
大好きだったあの子も
家族もみんな
たのしげに
なわの向こうへ
消えてしまった
わたしだけが渡れない
なわのこちらでひとり
追えぬものを必死で追って
とれぬ拍子を必死でとって
なわを廻す子どもらは
次々に代わって往く
もう知っている子はいない
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