CHAIRS/塔野夏子
 
窓をつくった
何に向かって開かれればいいのかわからないまま
そしてオブジェのように空間に散らばる
さまざまなかたちや色のCHAIRS

ふと気づくと別なのに腰かけてたりする

時計はもうとうに
分や秒ではない時を刻み
そもそもこの空間を浮かびあがらせる光は
どこから来ているのかわからない

ただずっと
ただ快感だけに素直な
ただ快楽だけに正直な
あのうるわしい初期衝動がそこにいて
大きな瞳で見つめている
ときどききれいなまばたきをしながら

そしてオブジェのように空間に散らばる
さまざまなかたちや色のCHAIRS

どれもみんなお気に入りではあるけれど

窓をつくったから
考えるから
また数がふえてゆくCHAIRS

何に向かって開かれればいい?
何に向かって開かれればいい?

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