運命不導体/瑞海
ここで出会ってしまったがために
空いたもう二度と塞げない穴
私たちは
元々は平行線だった
何かの拍子で
一つ重なり合ってしまった
これは神様も予想外
二人並んで歩いた雪の日は
どこからか来る南風に溶けてしまった
熱も風も光も
私たちを導くものは次第に亡くなり
虚ろになっていく私たちを
私たちは姿見で抱き合いながら毎日見ていた
満たされない
感じない
モノクロになる日々のなかで
私たちという存在が
確かであったはずなのに
強く握りしめた掌からも
暖かさも感じない
私たちはいつの間にか
神様の施した
不導体になっていた
もう来世でも
巡り会いませんように
禊を受けなきゃ
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