運命不導体/瑞海
 

ここで出会ってしまったがために
空いたもう二度と塞げない穴

私たちは
元々は平行線だった
何かの拍子で
一つ重なり合ってしまった
これは神様も予想外

二人並んで歩いた雪の日は
どこからか来る南風に溶けてしまった

熱も風も光も
私たちを導くものは次第に亡くなり
虚ろになっていく私たちを
私たちは姿見で抱き合いながら毎日見ていた

満たされない
感じない

モノクロになる日々のなかで
私たちという存在が
確かであったはずなのに

強く握りしめた掌からも
暖かさも感じない

私たちはいつの間にか
神様の施した
不導体になっていた

もう来世でも
巡り会いませんように
禊を受けなきゃ


戻る   Point(6)