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あおい満月
て、
娘の髪にふきかけてくる。
娘はただただ、
暖かい部屋でコートを着たまま、
身構えている。
ただひとつ、
確信めいたを想いを
石のように握って。
***
握りしめた人は、
私の濃厚な手相の海で
やじろべえになっている。
好きなものがある。
手には入らないけれど、
とても大事なもの。
それを知った小さな娘は、
ゆめのなかで、
何度もあのあたたかな身体を抱きしめている。
時計回り、 反時計回りで
あの人の背中を追いかけながら。
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