80年代中学生日記 斉藤アキラ君/瓜田タカヤ
て雪かきをする。オレは庭に雪を積む。
妻が怒らないくらいの雪山になるまで雪を積む。
向かいの家の雪山では、アノラックを着た子供達が無邪気に遊んでいる。
そんな子供達は期限付きの「自由」を持っている。
人間は
弱い大人になるまでに
「現実」や「社会性」と言う名の鈍器で小突かれ、破損しその患部を
”不誠実な皮膜”で覆い精神の不自由さを手にしてしまうのだろうか。
オレは斉藤君と中学の1年間位しか遊ばなかったし
今もし斉藤君と再び出会っても、何を話すべきか知らない。
むしろ会うの面倒くさい。
ただもし彼と出会えたら
その時オレは、斉藤君の前で奇声を発しながら
前転をしなければならない。
それは必ずだ!
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