夜間飛行/ともちゃん9さい
しまって
掃除機をかけるために
わらって
やさしくしまってしまう
ねむるまえの夜間飛行の
手を離す前
はじめてママがいなかった
泣かないで
暗くなっても電気をつけずに
玄関のドアの開く前の足音と心臓の音が
枕から聞こえる
犬のようだ
生まれる前
抱き合っていた
男と女から生まれた
誰かのために生きれない
わたしとあなたが抱き合って
期限が近づく
ああ
水の中の肌のよう
タクシーで
あなたが待つ場所に向かった
それはあのドラマを記憶しただけ
ママと夜と向かった、流れて
ずっと続けばいいのにって
うずめて奥のくらやみと音を聴いた
目が覚めてママがいなかった
泣かないでねむるまぶたで感じる
子どもがきらいだったのにちゃんと子どもだった
とくいげに
わかっているつもりでぜんぜんわかってなくて
子どもだった
恥じるけどちゃんと大人になった
ママよりも年を取って
中抜けしただけ
流れて
なにもかもずっと続いてる
子の手を取る
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