うつほ/
レモン
く
もう
伝わる聲も
響かないほど
遠くへ、と
ゆきたかった
花のあめ
ふる
その向こう
あなたの背中が透えた気がして
蹲る夜
青く争う
寒さに馴染んだ人肌と
こごえるくちづけ
滲んだのは
紫煙が
しろい雪にみえたから
清く汚れた
真白い骨に視えたから
夜明けは
コーラルブルーの
子宮のように
結露する
閉ざす沈黙
幽やかに
眠ることなく
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