銀の星/umineko
 
床に
散らばる水銀を
指先でなぞる

あり得ないやわらかさ

さわっちゃ駄目
それは
爪のすきまから
毒になって体中を
銀が回るよ、と

母の言葉が
だから
ずっとさわれなかった

なぜだろう
もう何もこわくない
背骨の曲がった魚の夢を
たくさん 見てきた

小さな
銀の星粒を
手のひらにおく

飲みほして かまわない

あなたがいないから
どうだっていい
 
 
 
 



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