すきま風/
はるな
しじゅう痛みのなかにいて思うのもむつかしい夜には、すきま風でもありがたい
手を離せばかんたんに瓶は割れてしまうが
手を離すのはかんたんではないのだ
いつかした夜のようにからだを集めて、
でももういつかみたいには勇敢な心持にはなれなかった
もうそのわたしはいつかに帰った
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