雨/薫子
 
雨が降る音がする
雨は嫌いではないけれど
秋の雨はなんとなく
もの悲しくて‥
貴方を想い出して

窓に叩きつけられる
雨の音は まるで
私の泣き声を
かき消すように
リズミカルに窓を打つ

窓をつたう 雨は
窓に映る私の顔に流れる
涙と一緒になって
とまることなく
流れて 流れて ‥

貴方は知ってるだろうか
雨の匂いを
雨が降り出すと
雨の匂いがしてくる
心の中に残るあの匂いを

私はその匂いを嗅ぐと
少しだけ思い出す
子供の時の雨の日の
ひとりぼっちの部屋と
雨の音を‥

秋の雨の午後は
アンニュイな時に
飲み込まれて
私はその時の中を
貴方を想い 泳ぐ‥

想いの川の中を‥

愛しい貴方のところへ辿り着きたくて‥
戻る   Point(1)