出血多量/レタス
化石の森に彷徨いながら
ぼくはなにを思ったのだろう
いい加減な雑物を背負いながら
純粋は消されていった
出血の止まらない左腕は
包帯で巻かれ
医者をさがしていた
何処まで歩いてみるけれど
医院は無い
もう駄目なようだけれど
ぼくは幽霊のように
彷徨った
海岸沿いに料理屋があったので
食事をしながら考えた
マグロの血合いを食べたなら
少しは血液が増えるだろう
ぼくはそういうことにした
包帯をほどき
とにかく螺子を締めることにした
あのカーヴを曲がれば
きっと医者はいるに違いない
マグロを食べたなら
きっとたどり着くはず
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