裏地のないスカート/はるな
 
アたちに
それでもまだここにいる、ドアたちに
わたしはこたえる、だめだ、こたえられない。

緑色の列車
川を越える列車
横転した時刻表
壁越しの会話
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裏地のないスカート

カーテンレールが思うより頑丈に出来ていること
西日のあたる角度、
16と10月の意味

もう一度無意味を飾る
あたらしい窓
あたらしい名前
あたらしいものばかり見ているから目が潰れてしまった。
嘘はいやだった、
本当のことが、
もうないのだとしても、
嘘はいやだった。


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