日曜日/藤原絵理子
 

夜明けの淡い光が ゆるやかな
丘の木立を 悪夢から救い出すとき
白い衣の少女たちが 透明な微笑を
ローリエ樹の 木末の葉先に 露を宿す


遠い思い出に浸って 白い午後は
菜の花畑の向こうから 列車の音が聞こえる
どこか知らない街へ連れて行って せめて
まだ光を享けている このささやかな一瞬だけでも


貝殻細工の夢を見た
薄暗い蔵に 差し込む一条の光
古ぼけたランプシェードに 虹色の悲しみを


淡い緑色の海に 浮かんだ墓所の島から
教会の鐘の音が さざなみを越えて渡ってくる
船着場を闊歩する鴎の目に 穏やかに

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