280日間 近くて遠い日/秋也
 
月が傾く頃
金色の砂が器から溢れ
胎内に響く
もうすぐだね
もうすぐだね
梟のウィンク
深淵なる森の一瞬
針葉樹の欠伸
我らからすれば永遠に等しく
命が宿るは奇跡に等しい

明星
朝焼け
天子の輪
もうすぐ
もうすぐ
産まれる前から笑顔と安眠を覚え
光に驚き
泣き浸る

赤子の涙
母の涙
赤い一滴が交わり
夕日より尊く
染まる

落ちる
涙の表面
もうすぐ抱擁が映るはず

命は在れば影ではなく光
どんなに深くとも
マリンスノーが深海を漂う間すら
祝福する

もうすぐよ
もうすぐなのだから




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