ソレイユ/wakaba
太陽が大爆発したあの時、僕の頭の中ではゴミ収集車の音楽が鳴り響き、郷愁とは言い難いさみしい気持ちで満たされていた。
燃え盛る破片が隕石となって地球に降り注ぎ、人々の阿鼻叫喚が温泉のように街中で溢れ返っていたけれど、僕は騒ぐわけでもなく喚くわけでもなく、脳内のゴミ収集車のほろ苦いメロディーを賞味しながら、ただひとりぼうっと物思いに更けていた。
ああ太陽が爆発したってことは、そのうち地球も爆発に巻き込まれて、僕も街も地球も何もかも炎の渦に連れ去られてしまうんだ、などと考えていると、昔僕がふざけて壊してしまった高級カラーテレビを引き取ったゴミ収集車を、家族全員で号泣しながら見送っていた時のこ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)