肩車/千波 一也
 


ひょい、と
おまえを肩に乗せると
よりいっそう
にぎやかな
居間になる

わたしには
さほど高くない
いつも通りの目線だが
おまえにとっては
宇宙ほどの
高みであるのかもしれない

ひょい、と
おまえを肩に乗せたはいいが
次第にうっすら
汗がにじむ

けれど
もう少し見せてやりたい
そこからの
生まれてはじめての
世界の眺めを
大発見を
もう少しだけ
おまえに見せてやりたい






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