くらい/管城春
 

目をとじる
まぶたの裏のやみには濃淡があって
ときおりひかりが過ぎ去る
まるく白を落とす
循環し流動するもの
とどまるもの
生命と躍動
静物
物体としてのわたしたちが力尽きるときに
地底は足に添える
つめたさが這いのぼりそこでできた道筋にあかりが灯る
道筋にあかりが灯る
連動する言葉も
惨めさも
気がつかないまま回りつづけている
それでも嘆くことはない
旋律が中空をただよっている
ピアノの音が聴こえる
ひかりが躍動する
この舞台は流転しても
道筋にあかりが灯る
それをしずかな場所からながめている
膝をかかえてここからあこがれていたい
とおいひかりを共有する
わたしの彼岸は
あなたのいる淵は
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