境界(『過ぎ越し』改詩)/
たけし
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く琥珀色の夕暮れに
缶カラ からから転がっていく
風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる
銀の乱反射に
無数の記憶像 ぱらぱら巻き上がる
風もない 人もいない のに
ぱらぱらぱらぱら巻き上がって
突き抜けていく突き抜けていく
像の向こうの 光り輝く球体に
崩れ落ちる記憶の壁
橙の柔かな夕陽 浴びながら
戻る
編
削
Point
(5)