境界(『過ぎ越し』改詩)/たけし
 
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く琥珀色の夕暮れに
缶カラ からから転がっていく
風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる
銀の乱反射に 
無数の記憶像 ぱらぱら巻き上がる
風もない 人もいない のに
ぱらぱらぱらぱら巻き上がって
突き抜けていく突き抜けていく
像の向こうの 光り輝く球体に

崩れ落ちる記憶の壁
橙の柔かな夕陽 浴びながら

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