たいせつの歌/梅昆布茶
たいせつをさがしている
大袈裟でもなく控えすぎず弾力をもつもの
空は低いが僕の中にそれをおしあげる力があるだろうか
誰も風化しない星々も変化しないのではちょっと困るのだ
粘土のように塑性をもった背骨を
あるいは硬骨魚の外郭をちっちゃな鑿で削りながら
たいせつを温存してちょっと迷ったが
いいのだ背もたれがほしかっただけなんだと
もう高度のひくいグライダーはいつも隙間にはさまってしまう
呼吸するちいさな地図を広げて世界をさくさくとあるこう
ティンカーベルはそっとほほえんでタクトを放り投げると
たいせつをおりたたんでちっちゃな胸の谷間に挟んだ
しゃがみ込ん
[次のページ]
戻る 編 削 Point(19)