トッカータ/管城春
 
 躊躇なく雨が降って やがて くすんだ時間がゆっくりと流れさって
 衝動的に目を覚ました朝と 夢 見つけることもむつかしかった歌声の
   流れ (流転  (流転   (流転
 わたしたちの多くが消滅してゆく夜や 月 覆い隠すひかりの優しさも
 思い出でいい 深まってゆく速度で きみは透明な疾走を続けてゆく

  明滅する目の奥で 命 これが愛だと言って
  正しい力で歩く足 病 連れ立って彷徨う森
  回転するケロイド 楔 真実だと只確信して

    あなたはくさってゆく あなたはくさってゆく あなたはくさってゆく

 (白い羽のむくろで 天 ほんとうは遺言さえ
  
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