少年は決意した/イナエ
 
少年は決意した
高校生になったら
皆の前で
自分の言葉でしゃべると
そのために
今の学校からは誰も受けない高校を
選ぶのだと
例え面接があろうとも
はっきりものを言うと
緘黙していた少年は己に誓った

 小学生だったころは 
 中学校に進んだら
 人前で話しが出来る人間になろう
 と思って居たけれど
 中学生になった最初の日
 小学校の仲間達が
 話さなくても言いように
 私を守ってしまった

皆の前で意見を言わなければ
先生は指名しない
クラスの仲間にも
気を遣わなくて良い
しかし…

自分の中に自分を閉じ込めて
気楽に生きている自分
そんな甘えた自分が
ほとんど見知らぬ人の社会で
暮らしていけるのか
生きていけるのか

少年は決意した
ぼくを守る今の仲間達から
一人離れて
新しい道を開くのだと

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