ある日のアルビノ/やまうちあつし
とある白夜に
白い車に乗って
消失点を探しに出かける
君は白いコート
僕は白いスーツ
サングラスだけ真っ黒い
カラスのアルビノ
不吉なことばかり話そう
どうせいつかは世界が終わる
美しい嘘しかつくな
嘴が凍るよ
何かの末裔だという自負は
まだ消えた訳じゃない
言葉をさかさまに
心をさかさまに
真実をたたんで
軽蔑をおりまぜて
信じられない格好で
信じられるかの審判を
口で
口だけで約束して
白くて黒いわたくしたちは
花言葉捧げよう
さもなくば
魂が凍るよ
続きは生まれ変わってからだ
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