晩秋の夜に/レタス
 
湯豆腐の季節がやって来た
鍋を挟んで
小学校以来のお前の顔が
ようやく和らいできた

俺は少し安心した

話す言葉はすべて昔の想い出ばかり
繰り返し
繰り返し
語りながらも飽くこともない
近況などは何でもない
これからのことも何でもない

お前がいるだけでいい
湯気が俺たちを優しく包んでゆく


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