看取り(3/3)/吉岡ペペロ
 
看取りは二晩続く。その二晩が終われば、二日お休み。そのあとは三日間通常の勤務。そしてまた看取りだった。看取り二日目の日はいつも息子は老人ホームで遊んだ。
「すっかり人気者だね」
同僚の立石さんがぼくを起こして楽しそうな顔をして言った。ぼくはまたこれから107号室だ。たいして疲れが取れていない。息子の寝顔を確認して107号室に向かった。
看取り二日目の杉下さんは昨夜よりかは安心して見つめることができた。でも消えない疲れの塵がぼくの脳みそや筋肉に積もってゆくことに変わりはない。ぼくは真剣な遊びをして気を紛らわらす。
真剣な遊びをしているといつのまにか振り出しに戻ったみたいになって違う考えごとを
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