もんじゅ/たま
遅い舟を
漕ぐ
もっと、充電しとけばよかった。
もっと。
今ごろ、母はどのあたりだろうか
塩っ辛い波が
夜の鏡にあふれて
わたしの眼をあらう
たしかに入力したはず
夢の入口で
ヒツジさんを数えて
でも、
非常口には、シマウマさんがいたんだ
あの縞模様の中に
パスワード?
そんな気がしたけれど見つからない
あ、そうか。
あれはバーコードなんだよ。
だったら、
レジのおばさんを探せばいいんだ
それで、おばさんはすぐに見つかったけれど
なぜか、
いじわるな魚みたいな顔してたから
わたしは、近づけなかった
昨日まで、日本海にいたのだという
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