廃校舎/
あなろぐ時計
ただ一人懸命に掃除した、水道の蛇口が赤茶げて
所詮こんなものさと自嘲(あざわら)っている
うらぶれた、うらぶれた、朽ち果てた半紙の”夢”の字が
帰っておいでと嘯いている
うるさい、うるさいと跳ねのけて
革靴で駆けだす、暗い、夜の畦道
戻る
編
削
Point
(2)