廃校舎/あなろぐ時計
 
ただ一人懸命に掃除した、水道の蛇口が赤茶げて
所詮こんなものさと自嘲(あざわら)っている

うらぶれた、うらぶれた、朽ち果てた半紙の”夢”の字が
帰っておいでと嘯いている

うるさい、うるさいと跳ねのけて
革靴で駆けだす、暗い、夜の畦道
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