道化/あなろぐ時計
 
少女の形は生まれたままに
触れれば崩れる可憐な花の
可憐を装う自己愛のままに

私の形は生まれたままに
触れれば煤ける奇妙なかさの
可憐に為れない泥臭さを愛した

わらうことを忘れれば
世界は無骨なコンクリートの様相
誰かが私に純粋を求めるならば
反吐の嫌悪を応えとしよう

わらうことを覚えれば
世界は酔ったようにぐらついた
誰も彼もが哀しき道化
私は異邦人のように闊歩する
嗚呼、強くなってしまったのだ
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