無に芽吹く意・伸縮/ホロウ・シカエルボク
「無限は広がる」―おかしな言葉だと思うだろう、だが無限は伸縮する、つまりそれがひとつの生での限界というものになる…肉体の限界はもちろんのこと、精神の限界…収まりのいい枠を作って、落ち着きたがる姿勢がその限界を呼ぶ…肉体に比べて精神はもっと自由なものであるはずだ、それは物質ではないのだから―とらわれないで生きることを知覚出来るのは肉体よりも精神だ、肉体がそれと無縁かといえばそんなことはなく、精神が強くそれを感じれば肉体にだってある種の変化が訪れる、高揚感や、静寂や、あるいは―「虚無によって」…虚無は怖れるべき場所ではない、それはある意味で最も具体的な存在の可能性だ、最初に感じるものに騙されてはいけない、「言葉がすべてを語っているなんて思わないことだ」―俺は虚無を愛する、そこには宇宙のような無限がある…魂は常にあらゆる方向に振れている、気にしなくていい、いまどこにいるかなんて…けれど、そう
こうして語れないのならそれにはあまり意味はない、語ったところで、誰のためでもない―ここでそれと繋がっておくための、ささやかな動作に過ぎない
戻る 編 削 Point(2)