散文・詩とは、/
w.tsubaki
けどそれは
近所の犬のあたまを撫でていく手のひらのように気まぐれで
すぐに去っていってしまう
それが突然こわくなって
通りすぎるその腕に追い縋ってつかんだ
もちろん自分にひと所にとどめておく力などなく
すり抜けてゆくのだけれども
つかんだ手のひらに 微かにのこった余韻を掻き集め
失くさないように箱のなかにいれて鍵をかけたのだ
詩とは、
わたしにとっての詩とは
ひどく子供じみた身勝手な拘束だった
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