散文・詩とは、/w.tsubaki
詩とは日常のなかの
些細な疑問であったり 好奇心である
たとえば植物の種子のように
風にさらわれ二度ともどらないもの
炭酸水のように底のほうから発生して舞いあがり
はじけて霧散してしまう泡だったりする
ひどくフワフワとして
実体があるのに実体がないような か弱いものに思えた
さらに大人になるにつれ
失われてゆくものがある
いえ、鈍感になっていくこの心が
のれんに腕押しとばかりに
簡単に通過させてしまうのです
あるときふと立ち止まった時
昨日まで聴こえていなかった 風の唄を聴いた
昨日まで見えていなかった
首筋をやさしく撫でる陽光の輪郭をとらえた
だけど
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